うちの彼氏は脳腫瘍20

脳腫瘍奮闘記
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↑の続きです。

MRI検査を受けた日に腹痛を訴え、同じ日に別の病院でCT検査も受けて尿路結石と診断されると言う、レアな体験をしてから一週間後。
薬を飲んだらすっかり腹痛がなくなったアラヤちゃんは、MRI検査の結果を聞きに行くために再び県立病院を受診した。

三谷医師
三谷医師

はい、こんにちはー。

と、こちらが同居している方?

なのかな?

圭

あ、はい。
よろしくお願いします。

三谷医師は簡単に挨拶をすると、一緒に生活していて何か気付くことはなかったか、と聞いてきた。

私は、
「この人は自分の不調を隠そう隠そうとするので、体調不良があってもほとんど言わないし、悟られないように振る舞うんです。
なので、私はほとんど気付くことがありませんでした。」
と前置きをして、
「ただ、3か月前くらいからだと思いますが、会話をしていて主語がないことが増えました。」
と三谷医師に伝えた。

例えば、突然「元気かなあ?」と不意に言われるのである。
で、私が「え? 何が?」と聞くと、「アラ莉ちゃん(彼氏の姪っ子)が」と言ってくる。
事前にアラヤちゃんの妹家族の話をしていれば、何となく察することもできるけど、前情報が全くない状況で「元気かなあ?」と言われて、

「ああ、アラ莉ちゃんなら元気でやってるんじゃない?」

と答えられたら、あたしゃ何者!?である。

あるいは、アラヤちゃんを助手席に乗せて車で走っている時に、
アラヤ「あ、セブンだ。」
と言われ、「そうだね。」と返してセブンイレブンを通り過ぎると、
アラヤ「なんで寄らないの?」
私「寄って欲しかったの!?」
となったりもした。
アラヤ「寄って欲しいから言ったのに。まあ、いいけど。」

まあ、いいけど!?(# ゚Д゚)!?

寄って欲しいなら、寄って欲しいと

しっかり言えや!!

と私はキレるのであった。

正直に言えば当時の私たちの関係性はあまり良くなかった。
今思えばアラヤちゃんは体調の不調を感じ、その恐怖や不安から気持ちに余裕がなかったのだろう。
また、医師にも伝えたけれど、自分の不調を悟られたがらないため、不調を隠すためにも心を砕き、それがまたアラヤちゃんの負担になっていたはずだ。
それらもあり、アラヤちゃんは精神的な余裕が全くなく、どうしてもイライラしたり、トゲトゲした物の言い方をするようになっていた。
そして、理由も分からずそんな態度を取られて、

虫の居所が悪いのね。

ふふっ。

そっとしといてあげましょ♪

となるほど私は優しいヲカマではない。
当然のごとく、

なんなん?

一体!!(# ゚Д゚)

と、それはそれはピリピリした雰囲気になっていたw
言葉に主語がなくて、会話が分り辛かったこともそれに拍車をかけていた。

会話をしていて主語がない、ということを聞いた三谷医師は、
「あー、はいはい。」
という感じで、多分脳腫瘍の患者さんあるあるなんだろうなぁ、と私は思った。

圭

で、一度聞いたんです。

なんで主語がないの?

主語を言ってくれないとわからないよ、って。

三谷医師
三谷医師

ほうほう。

それで、何て言ってました?

圭

わざとそういう話し方をして、私を試しているんだ、って言われました。

三谷医師、苦笑。

ちなみに、アラヤちゃんも苦笑いしてたw
私は「試しているんだ。」と言われた時、「こいつ何様!?」と静かにキレて、会話をそこで打ち切ったw

 

三谷医師は一週間前のMRI検査の結果を画面に示しながら、最初に受診した総合病院のMRI検査画像と比べながら、
「この20日くらいの間に、特に大きな変化はなさそうですね。
それから、目に見えて症状に変化があるようにも見えません。
なので、やはり鹿角さんはグリオーマの中で一番悪性度の高い膠芽腫ではないと考えられます。
断言はできませんが
悪性度はグレードで表しますが、4が一番悪い奴で、おそらくは2か3だろうと。
で、乏突起系と星細胞系がありますが、どちらの特徴も有しています。
例えば、乏突起系であれば石灰化があるんですけど、CTを見る限り石灰化はなさそうです。
あと、こういった画面上にボコボコ抜けているところがあるけれど、これは乏突起系のように思うんですけど、星細胞系にあってもおかしくはないです。
前頭葉っていうと、どちらかというと乏突起系に多い気がするんだけど、そこらへんは何とも言えません。
治療方針が厳密には乏突起系と星細胞系では異なってくるので、やはり腫瘍を摘出して組織を見るためと、それにプラスして腫瘍の量自体を減らすために手術は不可欠だろうというのが、この画像を見た上での結論になります。」
前回の説明と重なる部分もあるが、三谷医師は丁寧に現状を説明してくれた。
そして、「手術は不可欠」と断言された時に、アラ母が「はあ……」とも「ああ……」とも聞こえる嘆息をついたのを、私は耳にしていた。
手術を受けなくてもいいんではないか、と提案していたご両親。
きっと「手術は受けないといけないのか。」と悲しい気持ちになったのだろうなぁ。

三谷医師は続ける。
「で、やはりご年齢が若いということもありますので、出来れば手術中に一度起きて頂いて、脳機能への影響を確認しながら腫瘍を摘出する『覚醒下手術』が望ましいのです。
ただ、言葉の出辛さがすでに出ているのに、麻酔の影響が残っている状況という普通の人でさえ喋りにくくなる手術に、果たして意味があるのかを確認しないといけません。」
出来るだけ覚醒下手術を受けて、脳への損傷を少なくしつつも腫瘍を沢山取り除きたいアラヤちゃんは身を乗り出した。

「今日この後に、覚醒下手術を専門にしている細野先生の診察の予約を入れてあるので、その先生に診察をしてもらって、覚醒下手術を受けられるのかとか、現状の脳機能、高次脳機能というのですが、その検査というかテストをやってもらいましょう。」

と、言うことで。
アラヤちゃんは細野先生の診察を受けるために診察室を移動することになった。

覚醒下手術、受けられるのか!?

↓に続きます。

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