うちの彼氏は脳腫瘍14

脳腫瘍奮闘記
スポンサーリンク
スポンサーリンク
スポンサーリンク

脳腫瘍奮闘記の目次はこちらから(^^)
※↓の画像をクリックしても飛びます♪



↑の続きです。

とにかく現状で困っている症状が良くなることはない、とぶった斬る三谷医師は、更に続けた。

「今までに、急に右側だけ痺れるとか、急に右側だけ力が入らないとか、急に言葉が出にくいとかはなかったですか?」

アラヤ「ないです。」

「そうですか。そうすると、今まではてんかんが出てなかったかもしれないし、出ても小さなもので済んでいただけかもしれないですね。」

今後アラヤちゃんを苦しめることになるてんかん。
てんかん発作とは、脳の過剰な活動により、突然失神したり、身体の動きが制御できなくなったり、あるいは手足を自分の意志とは別にバタバタ動かしてしまったり、言葉が出なかったり、といった症状がある。
失禁してしまう人もいるし、お風呂でてんかんを起こしてしまい、意識を失ったせいで溺死してしまうてんかん患者もいるらしい。

「ですので。車の運転はもうダメです。止めて下さい。」

アラヤ「……はい。」

車が重要な足である地方民にとって、車の運転を禁止されることがどれだけきついか。
それは地方の人にしか分からないかもしれないが、
車の運転禁止=外出不可
に近いものがある。
そこまでではないかもしれないが、どこか出かけるために毎回家族や私に車を出してもらうようお願いしないといけないのだ。

「あとですね、たばこを吸ってるんですよね? たばこを吸っている人は、手術をする上で麻酔のリスクが非常に上がるんですね。なので、たばこも止めましょう。」

アラヤ「はい。」

「それから、お酒を毎日にお飲みになっているということですが、どのくらい飲んでいるんですか?」

アラヤ「水割りで1~2杯です。」

「それなら特に制限をする必要はないかな。でもまあ、ほどほどにして下さい。」

続々とアラヤちゃんの好きなことが制限される中、お酒だけは見逃してもらえたらしい。

「あと、今後の生活に関しては、いつ何が起こるかわからないので、一緒に住んでいるお友達に事情を説明して、何かあったらご両親なりに連絡してもらうようにするか、あるいは一時的にご両親のところに移って一緒に生活するようにした方が良いと思います。
独り暮らしだったから、気付くのが遅れたという部分がけっこうあった、と私は思います。
一緒に生活して普段とは様子が違うな、と気付く人がいたら、もっと早く受診できたでしょう。」
ちなみに、三谷医師推奨のご両親との生活は、アラヤちゃんの拒否により見送られることとなった。
生活のペースが違うし、実家で過ごしても何もすることがないのがひどく辛いということだった。

「腫瘍の経過を確認するために、もう一度MRIを撮りたいと思います。
時間経過で腫瘍がどう変わるか、変わらないのかを確認したいです。
短期間で大きく変わるようであれば、もちろん相当急がないといけなくなりますが、おそらくは大丈夫だと思います。
とはいえ今日撮っても前回からの期間がちょっと短すぎるので、1週間後にMRIを撮って、その結果を踏まえ2週間後にもう一度診察をしましょう。」

ということで、2週間後に診察の予約が入ることになった。
三谷医師からは、「2週間経たなくても、症状が急激に変化したり、大きなてんかんを起こしたりしたら、病院に連絡して診察を早めたり救急車で来てもらったり臨機応変に対応しましょう。とにかく、何かおかしいことがあれば連絡して下さい。」とも言ってもらえたそうだ。

と、言うわけで長きにわたった30分以上の診察がひと段落した。

そこでアラ菜ちゃんが口火を切った。
「先生。兄が一緒に生活している友人は、家族同然に生活しています。
それから、私は東京で生活しているので診察に立ち会うのは難しいのですが、正直両親は高齢ということもあり理解力に不安があるんです。
なので、兄と一緒に生活していて、私たちとも家族同然の付き合いをしているその友人が、診察に同席することはできませんか?」

家族以外が診察に同席することの難しさ、同性パートナーが医療現場で拒絶されている現実。
それを私から聞かされていたアラヤ&アラ菜ちゃんは、三谷医師の顔を伺う……。

そして言われたのは……

 

 

三谷医師
三谷医師

あ、本人がいいならいいですよ。

 

 

アラヤ&アラ菜ちゃん
「そんなあっさり!?」

と、言うわけであっさりと私が診察に同席できることになりました。

怒涛の情報ラッシュ、今後の不安、一番頼りたい私の診察同席許可。
鹿角家の面々は、みな一様にどっと疲れた一日となったのだった。

ちなみに、それを聞かされた私はというと、

「そんなあっさり!?」

と、やはり驚きの声を上げるのであったw

多分これはLGBT当事者じゃないと分からないと思うのだけど、SNSで溢れている情報を見ると、法律上の家族でない人や、事実婚関係がない人って、本当に医療で排除されているんですよ。
これは、患者の家族から抗議されるリスクを排除したいんだとは思うのですが、家族以外の同席は本当に難しいのです。
日本での同性婚の制定を求める活動が起きている理由の一つでもあるくらいなのです。
だからこそ、私は初めから諦めていたし、アラ菜ちゃんにも「アラ菜ちゃんやご両親からまた聞きするだけでも、大体のことは把握できると思うから、同席できなくても大丈夫よ~」と言ってありました。
それが同席できることになったと聞いて、多分私が一番驚いたと思いますw

※というわけで、初日の受診編はこれで終了です。
※長くなってしまってごめんなさい💦
※でも、同じ病気になってしまって情報を探している人の役に立てば、と細かく記載していることをご理解下さいm(__)m

↓に続きます。

タイトルとURLをコピーしました