中野信子 名言集

日常の出来事
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みなさんこんにちは。一応は科学者の端くれだった 圭@無駄に院卒なの です。

私は脳科学者の中野信子さんが好きなのですが、その中野信子さんの持論や発言の中で好きだったり、「なるほど。」と心から得心がいったりしたものをご紹介したいと思います。

中野 信子(脳科学者)

1975年生まれ。
東京大学工学部応用化学科卒業、同大学院医学系研究科脳神経医学専攻博士課程修了。医学博士。
2008年から10年までフランス国立研究所ニューロスピン(高磁場MRI研究センター)に勤務。
脳科学、認知科学の最先端の研究業績を一般向けにわかりやすく解説。
※本人は、一般向けにデフォルメしているので、正確性よりも分かりやすさを優先してしまっているとのこと。
著書に『サイコパス』『毒親』『シャーデンフロイデ』『不倫』などがあります。

自己肯定感を高めるには、自分を大切にする。

自己肯定感が高い方が生きやすい国(コミュニティ)と、低い方が生きやすい国(コミュニティ)があると仰る中野信子さん。
とは言え自己肯定感が低すぎると、自信を持てずストレスを感じやすかったり、人間関係を円滑に結べなかったり、自身のことに対して投げやりになりがちです。
自己肯定感が低く、自分自身を愛せない人に対して中野信子さんが提唱していたのが、
「自分を大切にする。」
ということでした。

どういうことかというと、
「自分は高価なものを使用する価値がある人間なのだ。」
とちょっとお高めなアイテムを使用する。

「どうせ私なんて……」
とは思わないようにする。せめて言葉に出さないようにする。

ヒビが入っていたり、欠けた食器を使わない。
ほつれたり破けたりした服を使用しない。

自分にとって大切なお客様をもてなすように、自分自身のことも扱うようにする。

そうすることで、自己肯定感は少しずつ改善されるそうです。
私はこの考え方を聞いた時に目から鱗状態だったので、欠けたカップ類は即効捨てましたし、その後食器がヒビが入ったりしたらそれもすぐに捨てるようにしました。
また、ちょうど断捨離をし始めていたので、もう着ないだろうという服や、色落ちしたり一部ほつれたり、毛玉になってしまったりしていた服は全て処分しました。

サイコパスからは一刻も早く逃げろ

サイコパスというのは、反社会性パーソナリティ障害とされる面もありますが、一言でいうと
共感性が欠如した人
だそうです。
なので、相手が悲しんだり苦痛を感じたりしても、その辛さに共感することがない(=心を痛めない)ために、残酷なことも平気で行えるそうです。
また、自分自身の利益のために他人を利用しようとするため、サイコパス傾向の強い人の周囲の人は利用され尽くされてしまいます。
破綻した理論であっても、それが破綻していることを悟られないようにする術に長けているため、相手を自分の言いなりにする理論を展開し、周りの人を逃がしてくれないことが多いそうです。
面と向かって反論しようとしても、「待ってました!」とばかりに相手を言いくるめ、自分の思うように使おうとするため、まともな議論をすることは避け、
とにかく逃げろ
に尽きるそうです。

一方で、共感性が欠如しているからこそできる振る舞いもあるため、それが善い悪いと断じるのは控えるべきでもあるそうです。
例えば、企業の責任者や外科医、弁護士にはサイコパス傾向の強い人が多いそうです。
これは、時として辛い作業を率先して行わないといけない職業なので、サイコパス傾向の強い人が集まりやすいとか。
・リストラされる社員の生活が崩壊するかもしれないけれど、リストラしないと会社の存続が危ぶまれる。
・腕を切断するのは可哀そうだけど、腕を切断しないと命に関わる。
・被害者が可哀想だけど被害者に共感してしまうと、加害者の弁護が充分に出来ない。
そんな時、相手への共感が強いとなかなか英断ができなくなってしまいますが、サイコパスは共感性が欠如しているので、ドライに物事を進められます。
※ちなみに、共感性が高いとこれらの職業ではストレスを感じやすくなるらしく、医師は一般に比べ自殺率が1.9倍、弁護士は一般に比べ自殺率が1.3倍と言われています。
※サイコパス傾向が強いと、その職業独特のストレスを感じにくいため、サイコパス傾向が強ければ生存率が上昇する、とも考えられますね。

全体を生かすためには個を切り捨てる勇気を持った人、とも言い換えられるため、社会には一定数必要な存在だと、中野信子さんは言っていました。
※必要性がなく、むしろ生物種にとって害でしかなければ、その性質の遺伝子は淘汰され無くなっていくはずだ、とのこと。


↑参考図書

日本人は不安傾向が強い

安心感を感じるホルモンとして有名な「セロトニン」ですが、ヒトはそのセロトニンの作用が「強い人(不安になりにくい人)」「普通の人」「弱い人(不安を感じやすい人)」の3パターンに分けられるそうです。
※これは遺伝的に決まっているそうです。

セロトニンの作用と人種の割合
人種 強い人 普通の人 弱い人
アメリカ人 約30% 約50% 約20%
日本人 約2% 約30% 約70%

そして日本人は圧倒的にセロトニンの作用が弱く、不安を感じる人が多いのです(^^;
ただ、これは言い換えれば「有事に備える気質」とも言え、「アリとキリギリス」で言えばアリ型と言うことでもあります。
日本は地理的に地震や津波、火山の噴火などの災害が多く発生してきました。
その時、災害に備えて食料を多く備蓄しておくなどすることで生き延びてきたのです。
これが、キリギリスのように「なんとかなるっしょ~♪」とお気楽に構えていると、当然食料不足で死んでしまいます。
死んでしまえば、当然そういった性質(遺伝子)は中々子孫に残りにくくなります。
それが、日本人に楽天家(セロトニン作用が強く、不安になりにくい人)が少ない理由なんだそうです。

そして、言わずもがなですがセロトニンはうつ病とも密接に関連があります。
また、日光を浴びる量が少ないとセロトニンの分泌量は低下するとも言われており、特に日照時間の少ない冬は「季節性気分障害(SAD)」といううつ病と似たような気分障害が発生しやすくなります。
遺伝的にセロトニンの分泌量が少ない日本人が、さらに日照不足になると更にセロトニンの分泌が少なくなると、うつ傾向になりやすいという訳です。
実際、↓のようなデータもあります。

順位 都道府県名
1位 岩手
2位 宮崎
3位 福島
4位 青森
5位 群馬
6位 富山
7位 新潟
8位 島根
9位 宮城
10位 秋田

↑は都道府県別の自殺率(令和2年度・栃木県発表を引用)
冬場日照時間が少なくなる北国で、なおかつ地域的に曇天や雨雲・雪雲が発生しやすい地域が上位に並んでいますね。
「セロトニン不足から不安傾向が強く、有事の際には強い!」というのは、日本人の強みでもありますが、えてして強みと弱みは表裏一体。
災害に強い代わり、ストレス耐性が弱くうつ病になりやすい気質でもあります。
うつ病の兆候が出始めた方は、無理せず医療機関を受診して下さい。
※私は無理せず受診していますが、おかげ様で症状が緩和しています。

ヒトはいじめをやめられない

ヒトは社会的な動物で、集団(コミュニティ)を作ることで生存してきました。
ヒトは犬より早く走れるわけでもないし、熊よりも力だって強くない。
寒さ暑さに強い毛皮があるわけでもない。
生き物単体としては脆弱なヒトがどうやって生き延びてきたかというと、集団を形成し、役割を分担し、時に団結して外敵と戦ったり、狩猟をして食料を得てきたからです。
ただ、そんな集団を作ると、
「あたし一人くらいサボったってねぇ。ひひひ( *´艸`)」
という輩が現れます。
そうすると、集団には貢献しないのに利益だけタダで持って行ってしまう輩がはびこりがちです。
そこでヒトが身に着けた能力が、「裏切者検出モジュール」というもの。
これは、集団の中でズルをして、集団のためには働かないくせに集団の利益だけかっさらうやつを見つけ、制裁する能力です。
この時、裏切者を制裁する快感のレベルは、なんと性行為以上だというので、いかにヒトという種族が裏切りに対して厳しく、かつ強烈に実行するようプログラミングされているかがわかります。
「集団の規律を守るため」とか「貴方を正しい道に戻してあげるため」などの大義名分のもと、
相手を攻撃する快楽
に溺れてしまうそうです。

そして、この裏切者察知能力の暴走が、いわゆる「いじめ」です。
集団の中で平均値から外れた人間を、「裏切者」と誤認し、その人間に対して制裁を実行してしまうのです。
この機能は、不安傾向が強いと強くなりがちなため、特に不安を感じやすい民族である日本では、いじめが中々なくなりません。
「村八分」に代表されるような、集団みんなで誰かを無視する、ということは欧米では考えられないそうです。

オキシトシンは出る杭を許さない

幸せホルモンとして有名なオキシトシン。
女性では出産を促したり(陣痛促進剤にも利用されている)、母乳を出させたり、母子の愛着形成にも一役買ったりします。
男性にも分泌されており、肌触りの良いものに触れたり、人と人の肌の触れ合いの際にも分泌され、相手への愛情を湧き起こさせる作用があるようです。

が。
共同体を強く維持しようとする働きがあるので、仲間意識を強くする働きがある一方で、敵とみなしたものへの攻撃性を示し、排除しようとする傾向も生まれるそうです。
※2011.1.10付『Proceedings of the National Academy of Sciences』の実験データより
そういった働きが、集団から外れたものを除外しようとしたり、時に攻撃をしたりするいじめの要因にもなり得るし、一度愛した人が自分を裏切った場合に激しい憎しみに変わる理由かもしれない、とのこと。
特に集団で災害などを乗り切ってきた日本人は、その傾向が強いことが示唆されるようです。
確かに、昔は大家族で生活し、一族意識が強く、村のルールから逸脱すると厳しい制裁を加える……。
一方で地元以外の人間への排斥意識が強かったりしますもんね。
北海道・四国・九州・沖縄などの人たちは、本州の人を「内地の人」と区別しますし、
とある千年都市の方は

そちらさんはまだまだ歴史が

浅うございますからなぁ。

みたいなイメージが残っているのも、地域的な仲間意識の強さを物語っている気がします。


↑参考図書

親族にゲイがいると、子供の数が増えやすい

中野信子さんはあまり同性愛について触れることがなかったのですが、私が知る限り一度だけ同性愛について語っていたことがあります。
彼女自身はアライ(LGBT支援者)のようで、「性自認や性的指向によって差別的扱いを受けるのは悲しいこと」と語っていました。
そんな彼女が語っていたのですが、身内にゲイがいる女性は子供の数が多くなりがち、というデータがあるそうです。
これは、ゲイの男性は自身の子供を持たないが、その分身内の女性(多くが姉妹)の子育てに貢献し、結果的にその女性が子供を産みやすくなることを示唆しているのではないか、とのことでした。
1,500種以上の動物にも見られる同性愛行動なので、何か生物種としてメリットがあるんだろうなぁ、とは思っていました。
その一端だとは思いますが、自身の子育てにエネルギーを割かないことで、近い遺伝子を持つ仲間の子育てに寄与することが、結果的に生物種の繁栄に繋がっている可能性を示しているそうです。

個人的には、いつか脳科学で「なぜ性的指向が同性に向くのか。」を解明して欲しいなぁ、とは思いましたが、科学的に同性愛が生物種に貢献するかもしれない、というデータが出てきたのはちょっと嬉しかったです。
なんせ、

LGBTは生産性が

ありませんからっ!

ってどっかの国会議員さんに言われてしまいましたからねっ(^^♪

最後に

科学的な事実に基づいて様々なヒトの価値観や、それに基づく行動を分析し、分かりやすく解析して下さる中野信子さん。
ご自分の分析や論説で、誰かが傷付かない様に懸命に配慮されている姿勢も、非常に大好きです。
著書に『毒親』というのがありますが、傷付いた子供への配慮を見せつつ、親を単に非難するだけではありませんでした。
生物としてどうして毒親と言われるようになるのかなどを、論理的に解説してらっしゃいました。

↑こちらの書籍です。

今後も、中野信子さんの名言に触れたら追加更新していけたらと思っておりますので、共感頂ける方はぜひまたご覧になってみて下さいませ♪

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