うちの彼氏は脳腫瘍30

脳腫瘍奮闘記
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↑の続きですっ♪

私が自室で調べて見つけた「自家がんワクチン」について、アラヤちゃんに話をしようと母屋に行くと、アラヤちゃんが洗面所で不思議そうに電気を点けたり切ったりしていた。

圭

どうしたの?

アラヤちゃん
アラヤちゃん

洗面台の電気が消えないんだよね……(・・?

圭

それは洗面所の部屋の電気のスイッチだよ?

洗面台の電気のスイッチはこっち。

アラヤちゃんは洗面所と洗面台のスイッチが別々であるという認識が一時的に抜け落ちてしまったようだった。

洗面所のスイッチを入れたり切ったりしながら、「洗面台の電気が消えない。」と不思議がり、スイッチが間違っていて、正しいスイッチはこっちだよ、と教えても、

アラヤちゃん
アラヤちゃん

???
なんでスイッチが違うの?

という感じだった。

おそらく、病気が周りの知るところになったからこういう状態を見せているけれど、ひた隠しにしていた時だったら、こんなに素直に脳機能の衰えた状態は見せなかっただろうな、と思った。
数か月前だったら、私が来た段階で洗面台の電気を点けっぱなしにしてどこかに行ってしまい、隠れていたんだろうと思う。
で、私が「なんで洗面台の電気点けっぱなし?」と思いながら、特に何も思わず消して終了になっていたんだろうなぁ……。

圭

疲れて、スイッチの場所が思い出せなくなっちゃったんだろうね。

と私が流して、「話があるんだけど。」と切り出し、「自家がんワクチン」について話した。
効果は必ず約束されるわけではないが、効果が出たと強く考えられる実例もあるらしいこと、高額な治療法であること。それを伝えた上で、アラヤちゃんが言ったのは

アラヤちゃん
アラヤちゃん

やる。

お金は出す。

俺、生きたい。

だった。

そして、別件の話に変わるが、アラヤちゃんは自分がいま悩んでいることを私に打ち明けてくれた。
それは、お父さんのアラ父のことだった。
アラ父は自身の手術の予後のため、病院の診察についていけていない。
そのため、アラヤちゃんのことは普段会っている表面的な部分しかわかっていないのが辛いらしい。
三谷医師も言っていたのだけど、家族や普段一緒にいる人、価値観が似た仲だと、「ツーカー」で物事が通じてしまうので、脳機能の衰えを客観的に把握するのが難しいらしいのだ。
なので、脳機能検査の様子をアラ父に見て欲しいとアラヤちゃんは言った。

アラ父はアラヤちゃんの現状を正確に把握できていないので、楽観的な感覚が抜けていないそうだ。そのため、「治療をすればアラヤちゃんは元の状態に戻る。」と思っており、その感覚での発言がアラヤちゃんの心を傷つけているらしい。
病状をより詳しく把握しているのはアラ母だけど、アラ母の理解力と説明力ではアラ父に現状が伝わっていないと言うのだ。
アラ父の感覚の誤りを訂正しようとしても、アラヤちゃんは上手く言葉が出てこないので伝わらないし、アラ父が「いや、それは違うだろう。だって……」と言葉を連綿とアラヤちゃんに浴びせると、アラヤちゃんは言いたいことがまとまらず(「聞く」と「言いたいことを考え、まとめて保持しておく」ということがアラヤちゃんは今はもう同時に出来ないのだ)、まとまってもアラ父の言葉でかき消され、消えてしまった言葉は思い出せず黙り込むしかない。
だからアラ父の考えは依然訂正されないまま、という状況のようだ。
アラ母より高い理解力を持つアラ父であれば、病院でのアラヤちゃんの様子を見れば、すぐに理解できるのに……ということだった。
※ちなみに、私と話す時アラ父は「脳腫瘍は大変だから、元に戻ればめっけもんだろうなぁ。」というような趣旨のことを言っていた。
※家族ではないから、言うことを変えていたのか、アラヤちゃんに希望を持たせるためにアラヤちゃんへの発言が違っていたのか、そこら辺はいまだに不明。

そこで、次に病院に行くリハビリの先生による診察の日は、私が仕事で行けなかったので元々はアラ母とアラヤちゃんだけで行く予定だったが、
「圭ちゃんが行けないから、アラ父が頑張れるなら、アラ父に付き添ってもらえないか。」
という話になり、アラ父が快諾したことでアラヤちゃんの希望が叶うこととなったのだった。

↓に続きます♪

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