うちの彼氏は脳腫瘍29

脳腫瘍奮闘記
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脳腫瘍奮闘記の目次はこちらから(^^)
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↑の続きです♪

何とか覚醒下手術を受けられるだろうと言われた私たち。

診察で受け答えすることに精いっぱいだったアラヤちゃん。
急展開についていくだけで精いっぱいだったらアラ母。

そして、私・圭はというと……。
自分の出来る次のステップに進まなきゃ、と意気込んでいたのだった。

20代半ばから付き合い始めた私たちに起こった、思いもよらない展開に涙を流したこともあった。
私たちのようなゲイは、長い間の偏見からロールモデルとなり得るカップル、長くパートナーシップを続けてきたカップルが極端に少ない。
だから、試行錯誤や衝突を繰り返し、なんとか折り合いを付けながら16年という長い期間、パートナーシップを続けてきた。
ゲイであるがゆえにどうすれば手に入るのかわからない幸せを手繰り寄せるように掴み、それでも自分たちで考えられるベストな幸せを求めて生きてきた。
私とアラヤちゃんはきっと、お互い最高のパートナーではなかったかも知れないが、ケンカしいしいぼちぼちやってきたし、この先もやっていけると思い合っていた。
お互いの両親を見送り、さて先に三途の川を渡るのはどちらが先かね、と競うようでいて、それでいてチキンレースのようにお互い爺さんになっていくと信じて疑わなかったのだ。

それがある日突然、崩れた

 

だけど、私のモットーは
事実は否めない
である。

現実逃避をしても仕方がない。
前を向いて、出来ることをしていかなければ。
考え方を変えれば、100年前には脳腫瘍なんて手術はおろか診断さえ出来なかった病気だろう。
それが今は診断して貰えて、手術も受けられて、何もしないよりも寿命が伸びる可能性が充分高いのだ。
出来ることをしよう。やれるだけやってみよう。

そして私がしたことは、情報収集である。

このご時世、ネットで調べれば大概のことは出てくる。
私は何度も

に「脳腫瘍」と打ち込んだ。

一般的な医師による説明は、見飽きるほどに熟読した。

そこで次に手を出したのは、実際に脳腫瘍を患った患者さんの体験記だった。
探してみると、多くはないが少なくもない脳腫瘍患者の体験記がブログとして残されていた。

ただ……。
その中でも、過半数が何年か前に最後の更新をしたきり、いつまでも記事(投稿)が更新されないでいるブログばかりだった。

なぜか、は想像にかたくない……。

そんな中、クニオさんという方の「41歳巨大脳腫瘍」というブログを見つけた。
クニオさんの脳腫瘍のグレードは4。
つまり一番悪性度が高い脳腫瘍。
なのに、とても明るく元気に脳腫瘍と向き合っていた。
私が見た脳腫瘍の当事者のブログの中で、一番前向きに元気にブログを書いている人だった。
思わず公開されていたブログの全てに目を通した。
すると、そのクニオさんの記事の中に
自家がんワクチンについての投稿
があったのだ。

早速自家がんワクチンについて調べた私。
すぐに自家がんワクチンの大元の会社のHPが見つかった。

↑気になる人は、上をクリックしてHPを見てみてね(^^)

大雑把な解説をすると、自家がんワクチンとはこういうものらしい。

通常、私たちの身体には「免疫」というシステムがあり、体内にある異物を攻撃・排除してくれます。
そして、一度覚えた異物の性質は記憶するので、次に同じ異物が体内に侵入してきた場合、最初の時よりもスムーズに攻撃・排除してくれるのです。
(これを利用したのが、新型コロナでも活躍したワクチンです。新型コロナウイルスの形を免疫に覚えさせて、体内に侵入した新型コロナウイルスを速やかに排除するようになります。)
ところが、がん細胞は異物でありながらも元々は自分の身体の細胞なので、免疫システムはこれを異物とはみなしません。
そこで、手術で摘出したがん細胞を特殊加工し、免疫システムに「このがん細胞は異物だよ。」と免疫システムに教えて、免疫システムが残存したがん細胞を攻撃するように仕向けるのが、自家がんワクチンなのです。

元々生物学系大学院を卒業していたので、理屈は理解できた。
理屈を考えれば、公表しているメカニズムがまともに働けば、画期的な技術だと思った。
脳腫瘍の中でも最悪な分類のグレード4の方は、生存期間中央値(患者の半数が死亡するまでの期間)が18か月なのに対して、自家がんワクチンを実施した人は24か月に伸びたという。
余命が1.3倍に伸びたのだ。
1.3倍というと、人によっては微々たる差と考えるかもしれないが、統計学上これははっきりと治療に「効果がある」と言えるレベルの差だったはずだ。
(大学時代に「生物統計学」という授業があったので、何となくイメージは残っていた。でも、あんまり興味もなかったのでほとんど覚えておらず、「ちゃんと真面目に授業受けてればよかったー!(><)と、後悔しまくり(^^; な私でした。)

アラヤちゃんの脳腫瘍のタイプはまだ分からない。
もしかしたらグレード2かもしれないし、実はグレード4かも知れない。
でも、いずれにしても余命が1.3倍になると仮定すれば、一番悪性度が低いタイプで11.6年の生存期間中央値が、単純計算すると15年に伸びるのだ。
余命の伸びが3年という数字は、寿命を意識したがん患者にはとても長く感じるだろう。
例え余命の伸びが6か月でも、やはり寿命を意識したがん患者には長く感じる。

ただし。
自家がんワクチンには大きな壁があった。

・保険適応外治療であること。
※医師によっては保険適応外治療を全否定する人がいる。最悪、「それをやるなら他の病院に移って。」と言われるリスクもある。らしい。
・費用約150万円。
※気軽にほいほい出せる金額ではない。

でも、決めるのは私ではない。
なので、私はアラヤちゃんに自家がんワクチンについて伝えてみたのだった。

↓に続きます♪

 

 

 

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