リハビリを受けたいアラヤちゃんがとった行動とは、それは……。
突撃、患者のアラヤちゃん♪(^_-)-☆
をリハビリ科の窓口にぶちかまし、お世話になった言語聴覚士(言葉のリハビリの専門家)の阿川さんに会いたいと伝えることだった。
だけど、当然忙しく働いている阿川さんなので、当然のように空いているわけがない。
リハビリ科の窓口の人に
「いまは離席中で、戻りましたらお声がけしますので、お待ち下さい。」
と言われたのだった。
面談の予約をしているわけではないのに、時間が取れれば会ってくれるの!?( ゚Д゚)
と、私はびっくりした。
そしてしばらく待っていると、阿川さんがリハビリ科の窓口に来てくれて、アラヤちゃんとお話をしてくれた。
言語のリハビリを受けたいんです。
てんかん発作のせいで低下した話す力を、元に戻したいんです。
と、アラヤちゃんは必死に訴えた。
そんなアラヤちゃんに、阿川さんは言葉を選びながらとても優しく話してくれた。
お気持ちはわかりますが、病院でのリハビリは、医師からの指示……建前上は紹介になるんですが、それがないと受けられないんです。
なので、ドクターがリハビリを指示してくれれば受けられますが、ドクターの指示がなければ鹿角さんはリハビリを受けられないんです。
そして、コロナの影響もあり、現在は入院患者のリハビリがメインで外来でのリハビリはほとんど受け付けていないということも知らされた。
※外からコロナウィルスを持ち来ないようにし、入院患者を守るため。
現状では入院しておらず、リハビリを受けられることになっても通院(外来)になるアラヤちゃんは、リハビリを受けるのがかなり難しいだろうということを教えてくれた。
さらに言うと、外来でリハビリをやったとしても、月に1回から数回程度しかできないので、鹿角さんが希望する回数には到底及ばないと思います。入院中は毎日リハビリしてましたから、その時とは雲泥の差だと思うんです。
それでも、どうしてもリハビリを受けたいなら、脳外科の先生にまず相談してみて下さい。他のリハビリの病院をご紹介したり、患者支援部と連携して対応できるかもしれませんから。
そう言われ、目に見えてがっかりするアラヤちゃんに対して、阿川さんはこんなことも言ってくれた。
救急車で運ばれるくらいの大きなてんかん発作というのは、脳内で大きな炎症を起こしています。その余波が収まっていないと、脳機能が復活できないことも多いんですね。
今の言葉の出にくさや短期記憶の保持の難しさ、身体の動かしにくさは大きなてんかん発作の余波が収まっていないからかもしれません。余波が収まるまでには1~2か月かかるので、静養して回復を待った方が良いと思いますよ。
今脳に無理をさえるのはかえってよくないと思います。スポーツと同じように、オーバーワークは身体に負担を掛けるだけなんです。
とにかく薬を飲んで、また大きなてんかん発作を起こさないことが大事ですよ。
阿川さんは分かりやすく丁寧に話してくれた。
要は、風邪をひいた後に本調子ではないのに、オーバーワークをしようとしても意味はない。とにかく今は回復を待って静かにしていなさい、ということを伝えてくれた。
三谷医師の「いまリハビリをやっても満点とっちゃうから意味がない。」よりも、とても丁寧で納得しやすい説明をして貰えたため、アラヤちゃんはそれ以上リハビリを求めることはなかった。
阿川さんには予約外に押しかけてしまって申し訳ない、と丁寧にお詫びとお礼を告げ、私たちは病院を後にするのだった。