脳出血や脳梗塞があれば連絡が来る。
そう言われてハラハラした夜を過ごす私たちの元に、病院からの連絡は特になかった。
翌朝、スマホの着信や通知が特にないことを確認し、ほっとした寝起きの私。
とりあえず夜の間には何もなかったのだ、ということを知り安心したのを覚えている。
後は、朝を乗り切れば、アラヤちゃんは集中治療室から一般病棟に移される。
アラヤちゃんの様子が気になるので、当然LINEを送る私。
だけど、アラヤちゃんからの返信は一向に来ない……。
( ,,`・ω・´)ンンン?
スマホをいじれないのか、文章が考えられないのか、入院中はやり取りで来ていたLINEが、パタリと途絶えてしまった。
※実際に私が送っていたLINE↓
健気に毎日送るのに、全く返ってこない返信。
ただ、毎日LINEを送っていたのは愛とかではなくw、何か事情があって単に返信できないだけだった場合、
「ふーん。すぐに送るの諦めたんだ。」
とかなんとか言って根に持つタイプのアラヤちゃんなので、とりあえず返事が来なくても毎日送り続けただけであるw
そうこうしているうちに、アラ父母の元に病院から呼び出しの電話が掛かってきた。
「医師から今後について説明があるので、○月○日に病院まで来て下さい。」と呼び出しの電話だった。
ちなみに私は普通に仕事の予定だったけど、病院からの呼び出しで「今後についての説明」とあっちゃあ聞き逃せない(;´Д`) となり、急遽半休を取らせてもらい、ご両親と同席させてもらうことにしたのだった。
ちなみに、アラヤちゃんと会えるかどうかはわからない。
コロナ禍で面会がいちじるしく制限されていたため、会えるかもしれないし、会えないかもしれない。
なので、私は当日の朝、↓のようなLINEをアラヤちゃんに送っていた。
でも、やっぱり返事はない。
うーん。
脳機能が思ったより回復していないのかな?
医師との面談の時に、アラヤちゃんとも面会出来たらいいな、と思ったけど難しいかな? と思いつつ、通された小部屋(診察室?)に入ると、そこには
いたよ、アラヤちゃん( ゚Д゚)
↑頭の傷も生々しく、切り開いた頭皮は医療用のホチキスでバチバチと留められていた。
どう? 調子は?
と訊く私に、アラヤちゃんはあいまいに笑って応じるだけで、特に言葉を発しなかった。
体調は問題ない?
問題ない。
今度は、「問題ない。」と言葉で返してきた。
LINE、既読付かないけどスマホになんかあった?
と訊いたら、
あ……。えーと。
……忘れてた。
衝撃!!!(;゚Д゚)
存在を忘れられたスマホ!
スマホの存在を忘れてたの?
……うん(^^;
言葉もたどたどしいし、スマホの存在も忘れるし、脳機能障害と言うのはこういうものなのだろうか……。
ご両親もお互いに息子の言葉の出なさ加減に顔を見合わせていた。
そして、私とも目配せをし、
「言葉の出にくさは相当だね。」
と言わんばかりの苦笑いをお互いの顔に張り付けてしまうのだった(^^;
術後のアラヤちゃんの状態が思いの外思わしくないことに、ちょっぴり衝撃を受けた私たち。
細野医師が今までに見たことのない病院関係者を連れて診察室に入ってきたのは、ちょうどそんなタイミングなのだった。