手術について話していたら、
覚醒下手術が続けられない場合、というのがあります。
と言い出した細野医師。
……なんだって!?
(•’Д’• ۶)۶
と、今更そんなこと言い出すんかい!? とビクッと身構える私たち。
一つ目は、麻酔から目が覚めないパターンです。
麻酔って、人によってすごく効きやすい人もいれば、効きにくい人もいますよね?
……いや、そんなん知らんがな!
ヾ(-д-;)ビシッ
こちとら医者じゃないんだから、麻酔が効きやすい・効きにくいなんて知らんっつーの!w
せいぜい「タバコを吸っていると麻酔が効きにくくなるから、禁煙するように。」って言われたくらいだっつーの!ww
人によっては麻酔機の電源を切って1時間経っても起きない人が、稀にいます。
その場合は、それ以上待てないので言葉の検査などはせずに『絶対安全な範囲』での摘出に留めることになります。
と言って、麻酔から目が覚めなかったら摘出できる腫瘍の割合がかなり下がるだろう、と細野医師は告げてきた。
それから、麻酔の醒め際にパニックになってしまった場合です。
パニックになっているので、言葉の検査ができません。なので、その場合も言葉の検査ができない以上、摘出できる腫瘍の量は限られます。
つまり、『絶対安全な範囲』になります。
で、パニックになるならないは予測困難なので、やってみないとわかりません。
こちらにとっては死活問題なことを、細野医師は相変わらず淡々と告げてきて、
「こればっかりは起きちゃったらしょうがないです。」
と淡々と切り捨ててきた。
それから、手術中に大きなてんかん発作が起きることがありえるんですね。
そういう人がいるので、それが起こらないようにてんかん予防のためのお薬を飲んでいただきます。
ビムパットという薬なんですが、今日の夜から飲んで下さい。
あ、てんかんに関しては予防薬があるのね、と思った。
ちょっと安心(´▽`) ホッ
と思っていたら、この後細野医師はやはり淡々と私たちを恐怖の谷底に突き落としてきた。
あとは、手術中のトラブルです。
どういうことかというと、脳梗塞や脳出血です。
腫瘍の摘出をしていきますが、脳の血管が腫瘍のすぐそばにあります。その血管がトラブルを起こし……まあ、要は脳出血を起こすことがあるんですが。
脳出血を止めようとしたら逆に脳梗塞になることがあります。
脳出血も脳梗塞も血管のトラブルなんですが、これは表裏一体なんですね。
そして、そう言ったトラブルは15%もの確率(7人に1人くらいの割合)で起こり、そういったことが起こると、現状アラヤちゃんが抱えている諸症状の右手足の麻痺や、右顔面の痺れ、言語障害や記憶障害がより悪化することになるのだ、と言ってきた。
仕方がないとはいえ……
手術前からそんなにビビらせんといてよっ!
。゚(゚´Д`゚)゚。
そうなった場合は、手術後に専門のリハビリ病院に転院して、重点的にリハビリをやってもらうことになります。
けっこう高い確率なんですね……
いえ、決して高い確率だとは思いませんよ。
これは年間20~30件行っている覚醒下手術の過去3年間の平均値で、学会とかでも発表していますが、決して数値が高いという評価を受けたことはないです。
アラ父の素朴な疑問を、淡々と切り捨てる細野医師。
いや、私だって「高え確率だなぁ。」と思ったんだけどな……。
医者と患者側のギャップなのかな……(´;ω;`)
でも、細野医師の琴線に触れたのか、若干勢いづいた「15%は高い数値ではない。」という説明を受けた。
ただ、この数値は手術を受ける患者さんの年代によっても左右されます。
退職して仕事もしてらっしゃらない方だと、リハビリをしないで退院するケースも多くなります。
一方でまだ仕事をしていたり、子育て中だったりする方だと、リハビリ後の結果の目標が高いので、リハビリ専門の病院に行くケースが多くなります。
ある意味、高齢者ばかり手術している病院だと、この数値は低くなります。
あの……リハビリをすれば、元に戻るんですか?
完全に元通り、というわけにはいきませんが、ある程度は元に戻ります。
何をもって元に戻ったと考えるか、それは求める基準によりますけど、とにかく15%という数字は実際の数字です。
この病院で……というか、私がこの3~4年で80~90人くらいやった覚醒下手術での数字は、15%になります。
そして細野医師は、これまで話した内容が記載された書類を渡してきて、入院の日までに読んできて、質問をまとめて入院の日の手術説明で訊ねるように、と言ってきた。
ここで唐突に細野医師はこんなことを言い出した。
ところで、今日の診察の一番最初にやった言葉のリストですけど、まだ覚えているのはありますか?
え!?
何この不意打ち!?
(•’Д’• ۶)۶
↑の記事でやった言葉のテストで覚えさせられた単語を、まだ覚えているかのチェックが来るなんて!!!
もう30分近く経ってるんだよ!?
ずっこい!!!w
でも、なんとアラヤちゃんは動揺しつつも意外に多くの単語を言えたのだった。
テント、山小屋、サファイア……。
……フライパン、包丁、ホテル、おたま、鍋。
そこで考え込んで、これ以上出てこなかった。
とはいえ、3回やり直した最高成績の8個と一緒だったのは、すごくない!?
と、心の中で拍手を送る私をよそに、細野医師はまたもや淡々と課題を出してきたのだった。
まだ出すの……?(ㅍ_ㅍ)
では次に、私がこれから言う単語が、最初に述べた単語の中に入っているかどうかを確認します。
1つずつ言っていくので、入っていたかどうかを答えて下さい。
わかりましたか?
はい。
フライパンは入っていましたか?
入ってました。
ルビー。
入ってました。
洞窟。
入ってました。
風船。
入ってませんでした。
コーヒー。
入ってませんでした。
鍋。
入ってました。
住宅。
入ってませんでした。
オパール。
入ってました。
おたま。
入ってました。
船。
入ってませんでした。
スカーフ。
入ってませんでした。
真珠。
入ってました。
山小屋。
入ってました。
エメラルド。
入ってました。
サファイア。
入ってました。
すりこぎ。
入ってませんでした。
アパート。
入ってませんでした。
小銭。
入ってませんでした。
テント。
入ってました。
山。
入ってませんでした。
おろし金。
入ってませんでした。
ホテル。
入ってました。
包丁。
入ってました。
ダイアモンド。
入ってませんでした。
はい。じゃあ結構です。
……なげぇわ( =_=)
テストの終わりを告げた細野医師。
語群は、「鍋・エメラルド・フライパン・テント・サファイア・ホテル・洞窟・オパール・おたま・真珠・包丁・山小屋」だったので、なかなかの正答率だったと思う。ルビー以外は全て正解していたのだ。
そしてその後、
「自分は周りの人に比べ、我慢強い方であると思う。」
などの設問に対して、「とても当てはまる・やや当てはまる・あまり当てはまらない・全く当てはまらない」のどれになるかを回答するようなアンケート的な問題が50問くらい書かれた用紙を渡され、入院までにやってくるようにアラヤちゃんは指示された。
では、私の診察は以上になります。
何か質問はありますか?
と、ここで私は自家ワクチンについて尋ねるのだった。
あの、すみません……。
ちょっとお尋ねしたいことがあるのですが。