覚醒下手術の説明を終えた細野医師は、具体的な脳機能検査をするための問診を始めた。
字を書くのは左右どちらか、ボールを投げるのは、ハサミを使うのは、歯ブラシを使うのは、絵を描くのは、マッチを擦るのは、箒を持って掃除をする時にどちらの手が動くか。
さらに、ナイフとフォークでナイフ使うのは、スプーンを使うのは、お菓子のふたを取る時どちらの手で取るか。
そして、兄弟や家族で左利きの人はいるか。
それらを確認した細野医師。
問診を終えると、細野医師は紙を取り出した。
じゃあ、これをやってみましょう。
この紙には線が書かれています。
この線の真ん中を通るように、縦に1本線を引いて下さい。
そう言って、アラヤちゃんにペンを渡した。
特に問題なくアラヤちゃんは線の真ん中を通るように、1本の線が引けた。
じゃあ、次はこの線の真ん中に印を付けて下さい。
今度はさっきとは異なる位置に線が引かれた紙を出してきた。
アラヤちゃんは問題なく大体真ん中に印を付けられた。
いいですね。じゃあ次はこの線です。
また違う位置に線が書かれた紙を示された。
そしてまた問題なく印を付けられた。
線のテストが終わると、今度は数字のテストが始まった。
これ見えますか?
と上のように数字が書かれた紙を見せられ、書かれている数字を認識できるか確認された。
はい。
①~⑥まで、数字の順番に線で結んで行って下さい。
ちょっとたどたどしかったが、アラヤちゃんは問題なく順番通りに線が引けた。
↑こんな感じに。
やり方、要領は分かりましたね?
はい。
そうしたら今度は本番です。
①~㉕までの数字が書かれているので、今と同じように数字の順番通りに線を結んで行って下さい。終わるまでの時間をこちらで測ります。線は汚くてもいいので、できるだけ速く正確にやって下さい。
さっきよりも数字が大きく、作業時間も掛かる課題。
見栄っ張りなアラヤちゃんはプレッシャーを感じているだろうし、疲労も感じているだろうに、黙々と課題をこなすアラヤちゃん。
ハラハラと見守る私とアラ母。
そんな視線を感じてより焦るアラヤちゃんw
はい。いいですよ。
課題をやり切るまでに掛かった時間は46秒だった。
が、それついてのコメントは特になかった。
比較的速かったのか、遅かったのか、平均的なのか……。
何も言ってくれない゚~ヽ( ̄Д ̄*)ちぇっ
じゃあ次ですが……。今度はちょっとだけ難しいです。
数字があるのは同じなんですが、今度はひらがなが加わります。
数字とひらがなを交互に順番通りに線を引いてもらいます。これが例題です。
こんな用紙だった。
これも順番通りに線を引くのだが、
①→あ→②→い→③
といった風に数字→ひらがな→数字……と2つの序列要素が入り組んでいるのだ。
こ、これは面倒くさいっ!!
(||゚Д゚)ヒィィィ!
じゃあ、ちょっとやってみて下さい。
一生懸命集中して、アラヤちゃんは線を引いた。
そして、↑のように間違えのない線を引けたのだった。
はい。いいですね。出来てます。
ルールはわかりましたね?
はい。
じゃあ本番です。
ほ、本番!!!
ってことは難易度がまた高くなるのか!?
この紙には、①~⑬までと「あ」~「し」までが書かれているので、さきほどと同じように順番通りに線を引いて下さい。
また時間を測りますから、線は汚くてもいいので、できるだけ速く正確にやって下さい。
そしてまたアラヤちゃんは集中して課題をやった。
やっぱりハラハラして見守る私とアラ母w
今度の課題は数が多くて複雑だったので、数字だけの課題よりも時間が掛かり、70秒掛かっていた。
アラヤちゃんが最後の⑬まで線を引き終わると、
はい、いいですよー。
と、細野医師がまた淡々と告げてこのテストは終わった。
突然の本格的な脳機能の検査。
複雑で精神的に負担がかかったね、と心の中で労う私。
そこに、細野医師が言った。
じゃあ、次は言葉の検査です。
まだあんのかーい!
(ノ`m´)ノ ~┻━┻
※ここまでのテストは序の口だった……。
※まだまだ続くよ脳機能テスト!