うちの彼氏は脳腫瘍18

脳腫瘍奮闘記
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脳腫瘍奮闘記の目次はこちらから(^^)
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↑の続きです。

私の仕事の休みをいじったり、アラヤちゃんの胸中を複雑な感情が行き交ったりする中、MRI検査の日はやって来た。

アラ父は整形外科の手術を終え退院していたものの、コルセットで首をガッチガチに固定されて生活が不自由なため、外出もできれば控えたいとのことだった。
そのため、アラ母とアラヤちゃん、そして私の3人で病院へ行った。
検査自体は特に問題なく、1時間近くですんなりと終わった。
即日で結果を訊くわけではないので、

はい。終わりです。

お疲れさまでした。

と病院から帰された。
それはもう、あっさりと(^^;

MRI検査を受ける日は朝ご飯を食べてはいけないので、アラヤちゃんは病院を出るとすぐに空腹を訴えた。
せっかくだから3人で外食しようか、とベトナム料理のレストランに行き、ベトナム名物のフォーに舌鼓を打った私たち。


↑ベトナムと言えばフォー♪ その春巻きセット(^^)

食事を終えた私たちは、アラ父の待つ鹿角家実家にアラ母を送り届けた。
すぐに私とアラヤちゃんの暮らす家に帰るのもなんだし、ということでアラ母がお茶を用意してくれた。
アラ父もまじえ、
「MRIの結果が良いといいね。」
などと話していると、ぽそりとアラヤちゃんが言った。

アラヤちゃん
アラヤちゃん

実は今日、朝から腹が痛い。

昼ご飯食べた時くらいは

治まってきてたけど、

いまメッチャ痛いや☆

メッチャ痛いや☆

じゃねぇよ!!!

本人曰く、朝起きた時から鈍い痛みはあったけど、強くもなかったし、MRI検査の時や昼ご飯の時は痛みがほとんどなかったとのこと。
ただ、鹿角家実家に来てから痛みが増してきて、今現在は何とか我慢できるくらいの痛みになってきたというのだ。

私

この人は何で限界まで

我慢するの???

もっとはよ言えや(# ゚Д゚)

基本的に最悪の事態を想定する私。
万が一脳腫瘍が他の臓器に飛んでしまっていて、それが原因で腹痛を起こしていたら?
それとも全く違う大きな病気??
なんでこの人にこんなに次々の身体の異変が起こるの???
色々考えていたら、こちらがクラクラしてきてしまった。

便秘が原因という訳でもないと言うし、
「我慢してればやり過ごせそう?」
と訊いたら、

アラヤちゃん
アラヤちゃん

うんにゃ、

無理だねっ☆

キィィ(ノ`Д´)ノ-----┻┻

無理だねっ☆

ぢゃねぇよ!!!

何なんだよ、もうっ!!!

その時、時刻は16時前。
最初に受診した病院は距離があるので無理。
県立病院は大きな病院で予約なしでの受診は、緊急事態でないと無理。
救急車を呼ぶくらいの事案にしないと県立病院は受診できないけど、「ぽんぽんイタイ~(´;ω;`)」程度で、結局何ともなかったら
(・ω<) テヘペロ
では済まないような……。
※何より当のアラヤちゃんが救急車を呼ぶのを嫌がる(--;

調べたところ、鹿角家実家から車で15分くらいの病院がまだ受診可能だったので、受診を受け付けてくれるかどうか電話で聞いてみた。
※当時はコロナの関係で受診が完全予約な病院もけっこうあったのだ。

すると、幸運なことに診察してくれると言うのだ。
受診時間も終わりかけていたので、急いでアラヤちゃんを連れて病院に連れて行く私。
とにかく素早く行動したいので、アラ母は置いてアラヤちゃんと二人で出発。
そしてふと思い出す。

あ、この人言葉が出辛くて上手く説明できねーんだったわ。

私「医者に自分で状況説明できそう?」
アラヤ「んー、ちょっとキツい。」

アラヤちゃんが言う「ちょっとキツい。」は翻訳すると「無理。」なのである。

そこで私は思い出した。

三谷医師
三谷医師

本人が同席を希望するなら、

受診に同席していいですよ。

と、県立病院の医師が言っていたことを。

色々と世の中が変わってきていて、もしかしたら本人の承諾があれば受診に同席できるんじゃね?

さらに、脳腫瘍の関係で言葉が出てこない人に説明されるよりは、きちんと説明できる同居の「友人」がいた方が、医師も助かるんじゃね?

そう思った。

病院に到着し、事前に電話で受診可能かどうか確認してある旨を伝えると、割とスムーズに受付をしてもらえた。
受診時間終了ギリギリということもあり、他に患者さんがほとんどいなかった。
そして診察室に呼ばれるアラヤちゃん。
ドアをノックし、診察室に入るアラヤちゃんに続いて私も中に入った。
そして医師に伝えた。

「先生、この人はいま悪性脳腫瘍と診断されていて、言葉が上手く話せない状況です。
もし差し支えなければ、同居している友人である私から状況を伝えてよいでしょうか?」

「あ、はい。お願いします。」

あっさり。
なんかふつーにあっさりOKされたんですけど。
え、今って私が思ってるほど医療現場ってそんなに厳しくない???

あっさり同席の許可を得た私は、アラヤちゃんの状況と腹痛について説明した。
アラヤちゃんは診察室のベッドに寝させられ、お腹を押されたり、聴診器を腹に当てられたり、体勢を変えさせられて痛みに変化が起きるかなどを訊かれたりした。
そして血液検査とCTを撮ってみましょう、と言われアラヤちゃんは検査に回された。

採血しCTを撮り終え、しばらく待っていると再度診察室に呼ばれた。

医師「CTの画像のここの部分に白いものが映っています。」

!?
なに!?
何かの腫瘍!?!?

医師「位置的にたぶん輸尿管に結石があって、それが腹痛を起こしていると思います。
血液検査の結果も問題ないですし、結石を溶かす薬を出しておくので、それで様子を見て下さい。
それでも腹痛がずっと続くようだったら、また受診して下さいね。」

診断結果 → 尿路結石

なんだ結石かよ、と思う反面「ガンの転移とかでなくて良かった。」と心からほっとした。
この日「ウロカルン」という薬を処方してもらい、それを飲み続けた結果、腹痛はすっかり治まった。
鹿角家実家に戻り、事の経緯を説明するとご両親もほっとしていた。

こうして、「今日はMRI検査を受けるだけだから、楽なもんだねっ♪」と思っていた一日は終わりを迎えたのであった……。

アラヤちゃんも大変だったと思うけど、みんな最終的にはどっと疲れた一日なのだった(^^;

↓に続きます。

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