↑の続きです♪
アラヤちゃんの作品を見て、その緻密さに驚いてくれた三谷医師。
そんな三谷医師を更に驚かせる発言をアラヤちゃんはしたのだった。
これ、木版画なんです。
版画なの!?!?
え!? 描いてるんじゃないんだ、これ!
そう。
この作品は、アラヤちゃんが木版を彫り、それを版画に刷ったもので、直接手描きしたわけではなかったのだ。
それを知り、三谷医師はけっこうびっくりしていた。
この細い線も版画?
はい。
これ(漢字部分)も?
はい。
え、版画なの!?
……縮小コピーじゃなくて???
違います。
凄くないですか!?
アラヤちゃんの作品の出来に、ただただ感心する三谷医師。
そしてそれを見聞きして満足気なアラヤちゃんは、嬉しそうな笑みを浮かべていた。
これ!?
これーーーー……すごいな。
でも……そうすると、これが出来るようになるかは……どうだろう???
出来映えに感心すると同時に、アラヤちゃんの「これが出来るようになるには何か月かかるのか?」という質問の答えに三谷医師は窮した。
えー、いやー、うーん……(-ω-;)
これ、彫刻刀、術後やってみました?
いえ、あの、一人になれないんで……
一人にならないと出来ないの?
こう、ゾーンに入るというか……
いえ、そういうわけではないですw
うーん……
絵は? 絵は描ける?
こう、構図を考えたりとかそういうのは。
自分の中でこうぱっとアイデアみたいなのを考えたり。
出ないわけじゃないですけど……
なるほどね。
そうかー……。
えっと。実際のところは、『出来る』ような気はしています。
ただ、右利き?ですよね?
はい。
ですよね。
えーっと、大きな麻痺がないのは間違いない。
ただ、けっこう繊細な作業じゃないですか。普通の字を書くより細かい作業になってくるから、まずはやってみるのがまずは1番かな、と思います。
で、もちろん最近たぶんずっとやってなかったと思うんで、能率が落ちてるのはまず間違いない。それから、かなり繊細な作業になるので『あれ? こんなハズじゃ……』という部分もきっとある。
とは言え、時間をかけたら出来るのであれば、すごくいいリハビリになるようなところもあるし、さらに言えば『時間を持て余す』という状態もあまりよろしくないわけですな。
日がな一日ぽけーっとしているのは精神衛生上よくないのだと、三谷医師は言った。
だからやってみて全然遜色なく出来ればそれはそれで素晴らしいことですし……
いやぁ~……。
ねw
ねwww
ってアンタたち、コントじゃないんだからwwwって感じで、お互いに「そうねぇ。」「ねー。」という感じで相槌を打ち合う2人なのだった。
まあ、なんにせよ、これができるんだったら、今時ですからネット販売とかできっちゃうんじゃないですか?
いやー、それにしてもすごいな、これ。
また木版っていうのが凄い。
ベタ褒めしてくれる三谷医師。
木版だと、大量生産できるわけだしね( ̄ー ̄)ニヤリ
あははw
ぜひっ、やってみて下さい(^^)
と言われ、アラヤちゃんの木版画の話は終わった。
そしてけいれん発作の話になり、とりあえず今日の段階での増量は見送るが、順当に行くと次の診察が1か月後になってしまうので、間に一度診察の予約を入れて、その時に発作の発生が変わらなければ増量するというのもできるがどうするか、という話になった。
ちらりとアラヤちゃんを見ると明らかに薬を増やしたくなさそうな顔をしていたが、どうもそれが上手く説明できる言葉が出てこなくて困っていそうだったので、
本人は出来れば薬を増やしたくないみたいなので、1か月後まで今の薬の量のままで、増量するかしないかは1か月後に判断してもらいたいようです。
と私が代弁した。
三谷医師はクスリと苦笑し、
じゃあそうしましょうか。
とこちらの意見を飲み込んでくれた。
そして、私は更に三谷医師に質問をするのだった。
それは、てんかん発作が起きた時、アラヤちゃんの右手足は細かく震えたり、大きく動いたりする。
それを痙攣していない方の左手で抑えるのは、発作にとって良いのか悪いのかを、ずっとアラヤちゃんは気にしていたので、私はそのことを三谷医師に訊いてみた。
先生、本人が気にしていたんですけど、てんかん発作が起きた時に、痙攣している右手を左手で抑えるのは別に問題はないのでしょうか?
それに対しての三谷医師の返答は……。