病理診断の結果を聞いた後の流れは、すこぶる順調だった。
特に何のトラブルが起こることもなくアラヤちゃんは県立病院を退院し、その足で次のリハビリ病院に入院した。
せっかく退院したけど自宅や実家に帰ることもなく、慌ただしく退院→入院というスケジュールだった。
唯一病院から解放された出来事としては、その日の昼食が移動途中の食堂の定食だったことぐらいだけど、残念ながら病院食の薄味になれたアラヤちゃんには、ちょっとしょっぱ過ぎてそこまで堪能できなかったそうだ(^^;
リハビリ病院での日々はすこぶる順調で、他の入院患者に比べて圧倒的に出来が良いということもあり、また脳機能の回復がほぼ上限に達しているだろうということで、思いの外早く退院できることになった。
作業療法士によるリハビリ、理学療法士によるリハビリ、言語聴覚士によるリハビリ、それらの結果がとても良く出来ていたそうだ。
※理学療法士による歩行訓練の様子。歩いたり走ったりしたらしい。
2か月の予定だったリハビリ病院での入院が半分の1か月になり、晴れてめでたくアラヤちゃんは退院の日を迎えることになったのだった。
気になることと言えば、ずっと出ていなかったてんかんの発作が、リハビリ病院の入院中に出てしまったそうだ。作業療法士とのリハビリ中に右手が痙攣し、作業療法士にも目撃されたそうだ。幸い、その時の発作は30秒程度で治まったらしいが、てんかんの薬を飲んでいたにもかかわらず起きたそのてんかん発作は、一抹の不安を残すのだった。
とはいえ、ようやくの退院。
手術のための入院期間も合わせれば、2か月弱の入院期間である。
私はアラヤちゃんのいない2か月弱は、自由を謳歌していたものであったが、アラヤちゃんからすると、待望の娑婆復帰!!!
※や、ほら、好きなものを食べたり、好きにダラダラしたり、亭主がいると中々し辛いあれこれってあるじゃないですか♪w
細野医師からも言われていたてんかん発作が、リハビリ病院でも出てしまったことから、もし一人で生活していててんかん発作が出てしまったら、最悪死んでしまうリスクもゼロではないので、アラ父母と話し合った結果、アラヤちゃんは1週間程度アラヤちゃんの実家で生活し、特に問題がなければ自宅に戻って元の生活に戻ろう、ということになった。
※私と二人暮らしだけど、私が仕事に行っている間はアラヤちゃん一人になってしまうので。
なぜそんなにてんかん発作を警戒するかと言うと、もう一人の主治医である三谷医師から
脳腫瘍で怖いのはてんかん発作です。
例えば、入浴中にてんかん発作が起きれば溺死のリスクがあるし、料理中に起これば火事のリスクもある。梯子にのぼっての作業中に起これば、転落死のリスクもあります。
なので、てんかん発作が起きた時、すぐに気付ける家族が傍にいることが望ましいです。なので、一人きりになることのある生活は避けた方が良いと言えます。
と言われていたからだ。
とは言え、抗てんかん薬を服用しているし、入院中に起きた発作も1回だけなので、おそらくは問題なく日常生活に戻れるだろう、と私たちは気楽に考え、アラヤちゃんが退院した日は豪華な夕食でそのお祝いをした。
アラヤちゃんも久しぶりにお酒なんかを飲んだりして、それはそれは楽しい時間を過ごしたのだった。
アラヤちゃんの退院の次の日は、私は普通に仕事だったので出勤し、普通に仕事をしていたのだが、ふと気づくとスマホにこんなメッセージが届いていたのだった。
お兄ちゃん、てんかんの発作で病院に運ばれたの知ってる?
と……。