じゃあ、続いてはですね……
と、細野医師が言った。
はいはい。
まだ続くのね……。
患者も付き添いの家族も大変だけど、医師も大変だなぁ……と思った(^^;
この画面見えますか?
PCモニターに文字を映したものをアラヤちゃんに見せ、画面の認識が出来るかを確認した。
はい。
この文字は見えますか?
続いて、画面に映っている文字を認識できるのかを確認した。
へー、「画面の認識」と「文字の認識」は、脳の中でも別作業なのかぁ。
「映像認識」と、「文字認識」は脳の中でも別々の領域なのだろう。
細野医師が丁寧に確認していた。
これは何と書いてありますか?
青です。
じゃあこれは?
赤です。
こんな風に次々と画面に文字が映し出され、それが何かを答えていった。
30問が終わったところで終了。細野医師が手元のスマホをちょこちょこいじっているところを見るに、30問解き終わるまでの時間を測っているようだ。
ちなみに、この検査はかなりサクサク答えられていて、私が脳内で答えるスピードと全くもって同レベルだった。
続いてですが……。
これは何と書いてありますか?
あ……緑です。
なるほど。
書かれている文字とは文字色が違っていて、文字色を無視して漢字だけ読めるか、という検査のようだ。
じゃあこれは?
……青です。
これは?
黄。
これは?
…緑。
これも同じように30問続き、掛かった時間を細野医師が測っているようだった。
この問題も傍から見ていてスムーズに答えられていて、脳内で一緒に問題に答えていた私とやはり同じ程度のスピードだった。
じゃあ、今度は文字の色だけ答えて下さい。
漢字は答えなくていいです。色を答えて下さい。
はい。
これは?
あ……、いや、えー………………………………緑。
これは?
…………………………………………………………………………青。
これは?
……………………………………………………赤。
このタイプの検査は苦手らしく、1問1問慎重に答えていたので、かなり時間が掛かっていた。
やはりこの検査も30問続けると、細野医師から終わりを告げられた。
ちなみに、これは細野医師曰く注意力のテストらしい。
文字に注目することは出来るけど、文字の色に注目は出来ないってところだろうか。
それの意味することは何なのか、気になるけど時間も押してるし気軽に訊ける雰囲気の医師ではないので、黙っていた。
それでは、次が最後の検査になります。
おお!
やっと、やっと終わる!!w
この写真は見えますか?
と、細野医師がこんな映像を見せてきた。
はい。
この写真について、4つの言葉が書いてありますけど、言葉は分かりますか?
分かります。
では、この写真の人の気持ちに一番近い言葉ってどれですか?
……………………「うたがっている」?
このような問題を30~40問やって、今日の脳機能検査は終了した。
最後の検査については、細野医師が特に時間を測ることもなかったため、おそらくは目元だけの画像から感情を読み取れるかどうかだけが重要だったんだと思った。あるいは、4つの選択肢の中から、「これだけはありえない。」という選択肢を選んでしまわないかどうかをチェックしていたんだと思った。
そして、細野医師は検査結果についてこう言った。
自分が何をできて、何が苦手かが分かったんじゃないかと思います。
苦手なのは、やっぱり言葉ですね。出にくいです。
数字を逆から言っていくやつは、記憶の面です。これも苦手ですね。
※前回のブログでの私の予想は大外れw
※短期記憶はOKで、そこに作業が加わるとダメだと思ってた(^^;
※数字を逆から言う、っていうのも短期記憶なのねぇ~
同時に複数の作業をこなすやつや、複雑なやつだったり高度な作業はダメですね。
一方で、最後の検査なんですが、コミュニケーションは問題ないです。
表情を見て、その人がどのような感情なのかを読み取るのは大丈夫らしい。
もともと人の感情の機微に敏感な人だったけど、診察の度に「三谷先生が今日は疲れてた。」とか、「今日の三谷先生は淡々としてた。」とか、医師の表情を気にしていたもんなぁ……。
※ちなみに、私は医師の表情は特に気にしていなかったので、アラヤちゃんから↑のことを言われても、「ふーん(* ̄- ̄)」てなもんだった。
そして、細野医師は私たちが一番気にしていたことを告げるのであった。