↑の続きです♪
細野医師が連れてきたのは、病院に勤務するソーシャルワーカーの方だった。
どうも。お待たせしました。
こちらはソーシャルワーカーの岸田さんです。
ソーシャルワーカーの岸田です。よろしくお願いします。
ソーシャルワーカーと言うのは、学校や医療機関、福祉施設などに勤務する困りごとを相談できる人のことだ。
社会福祉士などの国家資格を持っていないと名乗ることのできない職業らしい。
病院では患者の生活支援や、医療費に関する相談、転院時に転院先との調整などを担当するらしい。
なぜそんなソーシャルワーカーの方が同伴しているかと言うと……。
アラヤちゃんの術後の経過があまりよろしくないため、専門のリハビリ病院に転院を勧められたからである。
手術から一週間が経ち、日に日に回復しているのは事実です。
食事も普通食を全て自分で食べられていますし、手術直後は全く動かなった右手足も、今は歩行リハビリで30メートルほど独歩できるレベルに回復しています。
ただ、会話はまだスムーズとは言えませんし、長距離の移動では車椅子を要しています。
そして、当初話していた通り、県立病院でもリハビリはやるが、県立病院はリハビリ専門病院と違ってその時間に限りがあるため、リハビリ専門病院に移るべきだと、細野医師から告げられた。
鉄は熱いうちに打て、じゃないですけど、術後すぐが一番回復しやすい時期です。
この時期を逃してからいくらリハビリをしても、今の時期の回復量には及びません。
きちんとリハビリ専門病院に転院し、そちらでのリハビリを集中してしっかりやるべきです。
細野医師はアラヤちゃんの方を向き、
言葉の出辛さはあると思いますが、言いたいことを思い浮かべることは出来ていますか?
思い浮かんでいますよ。
それが、言葉に結び付かない、といった状況でしょうかね。
結び付いて……いますよ?
え? あ、ああ……そうですか。
結び付いているんですけど……何と言うか……。
んー……。
と言うと、アラヤちゃんは押し黙ってしまった。
いや、結び付いてないぢゃん(--;
……とまあ、こんな感じなので、リハビリはやはり集中的にやるべきだと思います。
それから、と前置きをして細野医師はMRI画像をプリントアウトしたものを見せてくれた。
それは、手術前に撮影したMRI画像と、手術翌日に撮影したMRI画像を並べたものだった。
※ちなみに、術後の方が白い影が濃いのは、単に写真の撮り方の条件が違うだけなので、気にしないで欲しいそうです。
ざっくり言って今回摘出できた腫瘍は、50%弱程度だったと考えられます。
ただ、50%弱しか摘出できていなくても、これだけ手術の影響が残っているわけなので、やはり前にお話しした通り、初回の手術としてはこれくらいの摘出が妥当だったと思われます。
手術直後の説明と同じ内容を反復して説明する細野医師。
……よほど「もっとしっかり腫瘍を取ってくれたら良かったのに!!!」とクレーム言う患者や家族がいるんだろうか(^^;
もめやすい、クレームに繋がりやすい部分は繰り返し強調して説明する、というのは接客業あるあるなので、ついつい余計なことを想像してしまう接客業従事者の私w
それと……病理検査ですが、まだ1週間なので当然結果は出ていません。
ただ、来週から再来週くらいには結果が出ると思うので、リハビリ病院に転院する頃には結果が出てると思いますが、私たちはグレード2か3を想定しています。
なので、おそらくは薬での通院治療になると思います。
絶対、ではありませんが。
ん?
その薬の通院治療はいつから始めるんだ??
リハビリ病院に入院しながら通院するのか???
と、私が思ったのと同じように、アラ父も同じことを思ったらしく、
あのー、先生。その薬の治療ですがね、それはリハビリ病院からこちらに通院するんでしょうか?
と訊ねたのだった。