そ・れ・で・はー……、えーっと、こちらの図を見て下さい。
と言うと、阿川さんは下のような図を見せてきた。
上の図の欠けているところに入る、最も適切な図はA~Cのどれだと思いますか?
えーっと、Bです。
そうですね!
こんな感じの検査をサクサクやっていきましょう!(^^)
そしてサクサクやった数が……35問!(^^;
結構な数だった。。。
そりゃ、この量を何種類かやってたら、1時間なんてあっという間に過ぎるわな(--;
ちなみに、この図形の問題だけど、最後はちょっと難問だったらしく、答えを出すのに結構考え込むことがあった。大体は比較的スムーズに答えられていたけどね。
と、ここで阿川さんがアラヤちゃんに質問をしてきた。
あ、そうだ。ちょっとお訊きしたいんですけどもー。
前も訊いた気がするんですけど、会話をしていた時に言葉が出てこないっていうようなこと仰ってましたよね?
はい。
その時ってー、言葉が出てこないっていうのもあるし、考えが固まっちゃうようなこともあります???
考えっていうか、頭の中が働かない瞬間があるっていうか。
え、あー。
止まっちゃうっていう瞬間はあります。
止まっちゃう、って感じのことが。
えー、あ~……うーんって感じで止まっちゃうようなことが?
あの……前回は「真っ白になる。」と言いましたけど、
はい、そうですね。
阿川さんが手元に資料にちらりと視線を落としてそう言った。
あの……その時は止まってるんですよ。
止まってる感じ。ふんふん。
それは、ご自分でお話をする時に起きる感じですか?
それとも、会話のやり取りの中で、相手の話を聞いている時にもたまに起きたりします?
「ん? なんかもう頭に入ってこない!」って感じの。
会話において、インプットは出来るけどアウトプットが出来ないんだ、と言っていたアラヤちゃんなので、「相手の話を聞いている時にそういうことはありません。」と即答するかと思っていたが、思いの外アラヤちゃんは長考をして、こう答えた。
相手の話を聞いている時にも、たまにはなります。
多分、わたしたちには知られたくなかっただろうけど、検査なのでアラヤちゃんは正直に答えた。
弱みを見せたくないアラヤちゃんのことだから、私が同じ質問をしても「相手の話はちゃんとわかるの。」と言うだろう。実際、これを書いている今現在も同じことを言っているから。
でも、厳密な検査においては「相手の話を聞いていて頭が働かなくなることが、たまにはある。」と答えざるを得ない程度には、「聞いて理解する能力」にも影響があるようだ。
※ちなみに、失語症についてはこちらを見てみて下さい。私の稚拙な4コマ解説です。
なんかね、注意が飛んじゃうことがあるって言ってたじゃないですか。
ええ。
あ、ほら、「そこじゃない!」ってところに注意が飛んじゃうと、って。飛びやすくなっちゃうって言ってましたよね。
そっちに注意が飛んじゃって、本来のところに注意が戻せない!っていうのとー、ふっと頭の中が真っ白になっちゃうのが2つあるような感じですか?
なるほどなるほど。
じゃあ、会話中とか何かをしている時とかに、ふっとそういったことが起きるかもしれない、ってことですねー……ふんふん。
えーっと、前は……ああ、前に話したのは、電話をしていて傍が気になるというのをご記憶されていると思いますが……
上手く話せないなりに頑張って伝えようとしているアラヤちゃん。
ちなみに、これは「前回の検査の時に、電話をしている時に横で話をされると気になるとお話したのを覚えて下さってると思いますが」と言いたかったのだと思います。
1回目の検査でもけっこういろんなことお話してたんだなぁ、と思った私でした。
あー! はいはい!
電話をしていて傍が気になると、その時はどっちにも行けないんです。
……?
あー! はいはい。
なるほど!!
電話している時に横で話をされると、電話への集中が飛んじゃうけど、かといって横の会話の方に意識が行っちゃうわけでもないんですね~?
はい、そうなんです。
真っ白になっちゃう。
もともとの会話に集中できなくなるだけではなく、他の会話にも集中できない、ってことですねぇ……ふんふん。
阿川さんは私とアラ母の方を向くと、
それって第三者の立場だったり、話し相手だったりして、「あ、今飛んでるな。」っていうのは分かります?
なんかこう、「聞いてる?」みたいな。
と訊いてきた。